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Bench Made 大川由紀子 永見隆幸 の靴 ベンチ・メイド [永見隆幸 衣装]



永見隆幸先生の靴を仕立ててくださっているのが、世田谷の成城にあるビスポーク・シューズ・メーカー=注文靴製作「Bench Made ベンチ・メイド」の大川由紀子さんです。



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永見隆幸先生(左)大川由紀子さん(右)





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Bench Made ~ English Style Bespoke Shoes
さり気なく置かれた ベンチ・メイドの看板





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靴紐を選ばれる永見先生


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シュー・フィッティング


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履き心地を確かめられる永見先生





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ブーツを脱ぐための 簡易式ではない ちゃんとした boot jack





工房の撮影も許可してくださいました。


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大川由紀子さんに、永見先生の いらっしゃらないところで、インタヴューをさせていただきました。



Q:いつから靴作りを始められたのですか
A:
20歳の頃から日本で習い始め、25歳でイギリスへ渡りました。
セメンテッドと呼ばれる 接着剤などを使った工場生産の靴ではなく、ハンドソーン・ウェルテッドという手縫いの靴の製法を学ぶためです。
イギリスでは二百年前にこの製法が既に確立されていて、底の取替えなど、適宜メンテナンスをすれば一生履き続けられる靴です。
学生時代からジョン・ロブ・ロンドンでアルバイトをしていた縁で、イギリスの靴の学校を卒業して、ジョン・ロブ・ロンドンに入社しました。勤めたのは8年です。
ジョン・ロブは、全て手作りですが、一足を作るのに五人の職人が夫々のパーツを受持ちます。その全ての工程を一人でやりたいと思って全工程を学びました。
一足を一人で仕上げるのに、木型製作から仮縫いまで約二ヶ月半、本縫い仕上げまでに、おおよそ半年かかる作業です。



Q:永見先生の靴の木型について
A:
ビスポーク・シューズは、木型を作って夫々の足に合わせるので、静脈の出方などにも気を配り、履き心地のよいものを目指します。
身体の全体のバランスを見ると、人それぞれの骨格の特徴が末端である足先に現れるために、大体の足の形が判ります。
永見先生の足は大きくて細いヨーロッパ型と言えます。
永見先生の木型は、紐靴用とオペラ・パンプス用の二種類があります。ボタン・ブーツなどは、紐履用の物を加工して使用します。



Q:永見先生の靴作りはいかがですか
A:
クラシックなものから独創的なものまで、次にどのようなオーダーがあるのか、いつも楽しみにしています。ボタン・ブーツなどにもチャレンジさせていただきましたし、白のジップ・ブーツなどもお作りしています。
新しい靴を作るときは、永見先生がイメージをお持ちになり、それについて打合わせして行く中で、素材や形、細かいところまで詰めて行きます。工夫を凝らすのは、皮だけではありません。高級なフェルトで足首部分が楽に履けるようにしたり、シルクを使ったりする場合もあります。
永見先生が表現者でいらっしゃるから、個性的なものをしっかりと履きこなされます。お召しになっているものも、英国紳士のスタイルをしっかり着こなしてみえるかと思えば、アヴァンギャルドとでも言うようなスタイルさえ きちんと自分のスタイルにしていらっしゃいます。
余談ですが、後にシューズ・メーカーとなった靴屋は、古くはブーツ・メーカーと呼ばれていて、昔のヨーロッパではブーツが当り前だったのです。今に比べると街が汚かったからだ考えられています。



Q:永見先生について感想をお聞かせください
A:
気さくで、話題豊富で、世界の食べ物や政治経済まで、幅広くお話しを伺えて、楽しい方です。
靴作りは、履く方の話を聞かせていただく事で、生活スタイルを知ることが重要です。歩く事の多い方なのか、座っていらっしゃる事が多いのか、長時間を履かれるか、短い時間だけ着用なさるのか、履かれる頻度は、など、いろいろな情報によって最適な靴を作るための仕立てが異なって来ます。作業中も、お話しした事を思い出しながら、その方の事を考えてお作りします。



Q:永見先生のオペラ・パンプスについて
A:
オペラ・パンプスは、燕尾服などに合わせる夜間礼装の代表的な靴です。素材は黒のエナメルかカーフ・スキン。紐や留め具はありませんが、甲部のリボンが特長です。オペラの鑑賞や晩餐会で用いられたことから、オペラ・パンプスと呼ばれるようになりました。木型も一般の紐靴とは異なります。
舞台用ということで、オペラ・パンプスをお仕立てしました。シルクで特別にリボンをお作りし、違う飾りに変更されたいという場合にも対応できるように仕立ててあります。

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永見先生のオペラ・パンプスを前に談笑する大川さんと先生



Q:永見先生の靴の中で一押しは
A:
一番初めに お仕立てしたバーガンディ。先ず、最初のオーダーでこの色を作る方は いません。仕立て上ると流石に よくお似合いでした。白のジップ・ブーツも個性的ですし、オペラ・パンプスは やはり特別ですね。

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大川さん一押しのバーガンディ



Q:大川さんの靴作りにかける思いは
A:
イギリスの民族衣装はスーツなのかもしれません。その歴史が長いことから、このような素晴らしい靴の基本が百年以上前に確立されました。その作りを丁寧に継承することで、今でも、何にも負けない靴が仕上ります。この素晴らしい技術を残して行きたいという思いが強いのです。
インソールは長く履くと足と同じ形になって履けば履くほど心地よくなります。ハンドソーン・ウェルテッドは、幾らでも他の部品の修理ができますから、トータル百年も履くことが出来ます
ベンチ・ワーク・スタディーという教室を開いていまして、二十代から七十代までの生徒さんが、ビスポーク・シューズについて学んでいます。殆どの方が趣味ですが、中には職人を目指す人もいます。靴を作る工程は大変多く、立体にするまでの工程だけでも二百以上の作業があり、一人で靴を仕上げられるようになるのに十年はかかります。木型作りが出来るようになるまでに四年、パターンとミシンに二年、底付けに三年、あとはデザインなども多岐にわたるので、追い求めるものは多いですね。
19世紀に作られたベビー・シューズなどが手元にありまして、当時の技術を垣間見ることが出来ます。全てが細やかな手作業で、時を経て現存するものを見ると、感動すら覚えます。

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19世紀に作られたベビー・シューズ

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永見先生に大川由紀子さんとベンチ・メイドの靴について伺いました。



Q:大川さんはどのような方ですか
A:
気さくで明るい方。端的に言うと、誠実な仕事ぶりで腕の立つ職人です。


Q:ベンチ・メイドの靴をお召しになっていかがですか
A:
いかなる美辞麗句を連ねたところで、ベンチ・メイドの素晴らしさを説明したことにはならないでしょう。少なくとも自分は、ベンチ・メイドにお世話になってからというもの、既製の靴を履くことができなくなってしまったのです。





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ベンチメイドのエントランスにて





大川由紀子さんの略歴

1992年=平成4年、Moge Work Shopで手作り靴の手ほどきを受ける。
1995年=平成7年、イギリスに渡り、名門 Cordwainers College コードウェイナーズ・カレッジに入学。Shoe Making Technology において Higher National Diploma を取得。ジョン・ロブ・ロンドンの靴職人ポール・ウィルソンにハンド・ソーを習い始める。ビスポーク・ブーツ・メーカーのジョン・ロブ・ロンドンで木型製作を学びながらワーク・エクスペリエンスをはじめる。
1996年=平成8年、Shoe & Leather News 主催の Young Designer Of The Year 入賞。(Young Designer Of The Year は、JIMMY CHOO ジミー・チュウや EMMA HOPE エマ・ホープなども受賞した権威ある賞)
1997年=平成9年、Cordwainers College 卒業、キング・オブ・シューズと称されるジョン・ロブ・ロンドンに入社。日本人として初めての正社員となる。入社後はクリッカー、パターンナー、クローザーを専門として約8年間働き、エリザベス女王陛下の靴をお仕立てする栄誉も担った。
2004年=平成16年8月、帰国に伴い退社。
同年12月、ハンドソーン・ウェルテッド製法を学べる教室『Bench Work Study』を開始。
2006年=平成18年、オリジナル Bespoke Shoes ブランド『Bench Made』を開始。
2011年=平成23年、オリジナル Ladies ブランド『Acoustic Shoes』を開始。





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