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反響 総括 カヅラカタ 歌劇団 2018 永見隆幸 総合指導 [永見隆幸 カヅラカタ]



カヅラカタ歌劇団の公式ブログなどに掲載されているように、カズラカタ歌劇団 2018「ロミオとジュリエット」が高い評価を得たようです。



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反響について、総合指導に携わられた永見隆幸先生に、どのように受けとめるべきかを伺いました。





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昨年に比べさらに洗練された舞台でした
ダンスはもちろん素晴らしかったのですが特に皆さん歌と演技が大変上達しておられました

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昨年の1789でも行きつくところまで行きついた感があったのにいったいどこまで進化するのだろうか?恐ろしいくらいです





Q:昨年の「1789」を超えることは不可能だと言われていましたが、最終的に超えたという評価を得た原因はどこにあるのでしょうか。

A:様々な要因があると思いますが、団員も含めた関係者の努力、そして、中心になる学年の団員の人数が多かったことを挙げるのが妥当でしょう。しかし、自分は、最善を尽くしさえすれば、他人の評価を余り気にすることはないと思っています。



Q:何故さらに洗練されたと感じるのでしょうか。

A:無駄な動きをさせないようにしたことが先ず考えられます。力感のある動きと力み返った動作は似て非なるものです。素人は予備動作も必要以上に大きいのですが、それも極力抑えました。
得てして素人が余分なものを付け加えたがるのに対し、余計なものを削ぎ落とすことのできるのが玄人だと言っても過言ではありません。



Q:歌と演技が上達したのは何故でしょう。

A:ダンスは形があるものですから、ヴィデオを参考にしたり、鏡を見ながら自主的に練習をすれば、巧拙があるのはやむを得ませんが、ある程度は上達します。しかし、歌は目に見えないし、演技も自分が演じている姿を客席から見るように把握することは、熟練のアーティストでも難しいのです。
声を出せば歌になる訳ではないし、動きさえすれば演じているということにはなりません。
歌については、全員を発声練習から鍛えるには時間が不足していたので、力みとクセをとることに集中しました。
演技も、何が正しいかという解答を与えるのではなく、人間の関係性から立ち位置を考えたり、自分の役柄はどのように動くことにリアリティがあるのかを考えるように仕向けました。
団員諸君はそれによく応えてくれたと思います。



Q:いったいどこまで進化して行くのでしょうか。

A:高校生にしては素晴らしい、アマチュアの域を超えている、そういう評価に甘んじると自縄自縛に陥ります。彼らの潜在能力を適切に評価すれば、現状は、理想の三割と言ってよいかもしれません。人間の能力には驚くべきものがあります。未だ未だ進化する余地は大きいと考えています。
紆余曲折のあるのが人間ですが、目標を高く掲げて努力を怠らず、長い年月のスパンで見れば、確実に進化して行くでしょう。





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全体的にレベルが上がっているせいか大勢で何かするところがすごく良くて、仮面舞踏会や二幕の乱闘、カーテンコールの男役群舞が素晴らしかった。全体から発するパワーで涙でたよ。





Q:全体的にレベルが上っていますか。

A:見方にもよりますが、総体的には、よくなっていると言ってもよいでしょう。



Q:なぜ大勢で何かするところが良かったのでしょう。

A:人間の関係性に着目して動くように指導したからでしょうか。
今までは誰かが演じていても、群衆は突っ立ってるだけという場面が散見されました。ある場面を演じると、その時はマァマァでも、出ハケで「一高校生」に戻ってしまうことなど、日常茶飯事でした。カーテンコールも、形だけを真似しているだけで、役柄を維持したまましっかり演じ切ることができていませんでしたので、龍頭蛇尾。
本人はできているつもりなのかもしれませんが、全くリアリティが感じられないのです。
誰かが演じている時に、自分の役柄であれば、どこで何を何故そうしているべきなのかと考えさせるようにしました。アクションに対するリアクション、それをどう表現すればリアリティが感じられるかを一緒になって探るようにしたのです。
群舞も前後左右を意識するように指導しました。意識するだけで随分違うのです。
ぶつからないようにと余りネガティブな指導をすると、委縮して小さな動作になり、舞台の空気が動きません。
周囲を意識できれば、ダンスに自信が持てるようになった段階で、群舞は格段に見栄えがよくなります。
立ち位置をうるさく言ったことも大きな要因でしょう。



Q:ダンスのレベルが上ったという評価について、ご説明ください。

A:アシスタントを3名投入して、ダンスの基本からやり直させました。
カヅラカタを優先したために東京の事務所のオファーを断らざるを得なかったことなど、大きな犠牲を払って力を尽してくれた優秀なアシスタントの存在が最も大きかったと考えています。
我々は、他人の拵えた振付を真似しません。他人様の作品の盗用がコンプライアンスに反するからです。例え真似してよいと言われても、クリエイティブな仕事とは言えないので、我々はタッチしません。それゆえ、団員が学んだ振りの誤りを正すことに徹し、それに専念しました。
宝塚スタイルという鋳型にはめるのではなく、あくまでも基本に忠実に、自己流のクセを直して美しい動きができるように指導したのです。
それだからか、指導されている団員の側に余り指導されているという実感がなかったようですが、実態は全く逆で、お客様の評価が雄弁かつ如実に物語っている通りです。





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とにかくロミオ役、ジュリエット役が役として生きていた素晴らしいレベル。
そして歌のハモリにうっとりするぐらいの歌唱力に圧倒されたそうです。
『ロミオとジュリエット』といえば、宝塚ファンならご存知かと思いますが「エメ」をはじめプレスギュルビックの曲は難曲がいっぱい。
また主役(宝塚でいえばトップ男役とトップ娘役ですよね)の二人以外でも、ヴェローナ大公やロレンス神父が落ち着きと重厚感があり、お芝居を引き締めていたとか。
もはや男子中・高校生が宝塚を模倣しているというレベルではないのでしょうね。
なかには「この舞台に立ちたいから」という理由で、東海中学を受験した生徒さんもいるそうです。
志の高さには、感服ですね。





Q:この感想について、どう思われますか。

A:カヅラカタ歌劇団は本当に恵まれている。よく観ていらっしゃいますね。こういうよいお客様に恵まれていることを感謝しなくてはなりません。
高い評価をいただいていると言っても、アマチュア高校生の団体なので、批判のための批判や重箱の隅をつつくような揚げ足取りをされたら、ひとたまりもないでしょう。
こういう理解のあるお客様に育てていただいてこそ、彼らは伸び伸びと成長できるのです。
よいところを見つけようとしてくださっていることが何より有難い。
団員諸君が、甘えずに、己に厳しく研鑽を積んでくれることを願ってやみません。



Q:何故ハーモニーに圧倒されたのでしょうか。

A:今までは、正直に言って、歌いっぱなしでした。相手のことを考えずに、自分の好きなように歌っていた。それを、相手の声を聴くように意識させました。群舞で指導したことと根本は同じです。はじめは相手を意識するだけで充分なのです。



Q:ヴェローナ大公とロレンス神父に落ち着きと重厚感があって芝居を引き締めていたのは何故でしょう。

A:ジュリエット役もロミオ役も、自ら学習し、解らないことを積極的に聴きに来るタイプでした。ティボルトはこの学年の最古参で、三人とも、ある程度自主性に任せておいた方がよい結果が期待できるだろうと踏んでいたのです。実際、その通りになりました。
若い諸君は動きたくて仕方がない。ですから、大人の役であるヴェローナ大公とロレンス神父と乳母こそが、この舞台の成否のカギを握ることになるのです。三人には中年に至った人間の行動はどのようなものか徹底して考えて貰いました。自分はブレーキに徹して、「動くな」「走るな」という以外、出来るだけ具体的な指示を控えていました。
特にヴェローナ大公とロレンス神父は、元々深くよい声の持ち主で、三人ともに自分の指導に実によく応えてくれたと思います。



Q:そのほかの全体的にレベルが上っている要因について解説してくださいませんか。

A:まず、オーディションにメスを入れたこと。顧問の久田さんの英断です。今までは、希望の役を自分たちで話し合い、ほぼ決った上でのオーディションでしたから、形式的なものでした。しかし今回は、キチンとオーディションを行って、役柄に最も適した人、結果が一番出せそうな人、つまり、その役が好きな団員ではなく、その役柄を演じてしかるべき団員という観点で選んだところでしょう。
キャスティングの最終的な権限は自分にありませんが、強く推した人は適した役につきましたし、配役全体も納得できるものです。
大きな理由の一つに、中心になる学年の団員の数が多かったことは以前にも挙げました。
メインの役はさておき、余り名前が挙がらない役柄について少し述べたいと思います。
モンタギュー卿は、やむを得ぬ理由によりマイクをつけていません。カヴァーする方策を色々模索しましたが、彼本来の実力を見せつけるというところまでは行きませんでした。真っ直ぐな、とてもよい声の持ち主で、ダンスも芝居も変なクセがなく、地道な努力を重ね、この舞台に大きく貢献した一人に数えたいと思います。
"死" は全てを身体表現で表すという難しい役ですが、想像以上の力を発揮してくれました。たいへん賢い人で、吸収する力も群を抜き、彼なしでここまで成し遂げることは難しかったでしょう。
"愛"を演じた団員は、不足しがちな「しなやかさ」と「柔和さ」を、この舞台に付加してくれました。未だ中学生なので今後も楽しみです。
中学生と言えば、役付きではありませんでしたが、今後の注目株が居たことを申し添えます。
進歩賞や努力賞を授与するとすれば、間違いなくモンタギューとキャピュレットの両夫人でしょう。当初は、何をやっても男子学生としての自分自身が出て来て、なかなか吹っ切れなかったのですが、最終的には、この役が腹に落ちたようです。ファルセットと実声の使い方、女性としての所作など、一番悩んで努力をしたのはこの人達かも知れません。最善の追求を諦めず、何度も相談に来たのもこの人達でした。
全員について述べたいところですが、キリがないのでこの辺りにしておきます。
いくら自分が最高のアドヴァイスをしても、受取る側がダメなら意味をなさない。団員諸君が一生懸命に取組んでくれたからこそ成果が出た。それは、言うまでもありません。



Q:もはや男子中・高校生が宝塚を模倣しているというレベルではないのでしょうか。

A:どのように舞台をご覧になっても、それはお客様の自由だと思います。
宝塚は全員女性、カヅラカタは全員男性。完全に写すと言っても、どうしても同じにはならない。むしろ違いが際立つところさえある。逆に、そこにオリジナリティが表れるという面白さを自分個人は感じています。そこにこそ、カヅラカタ独自の表現が存在しているのではないか、と考えているのです。



Q:来年はどうなるのでしょうか。

A:自分は占い師でもなければ神様でもないので、残念ながら、わからないとしか言えません。
今年のように相乗効果で思った以上の成果を上げることもあるでしょうし、その逆も絶対に無いとは言い切れません。特に舞台は生ものですから。
禍福は糾える縄の如し、人間万事塞翁が馬、と言います。成功を追い求めるのではなくて、よりよい舞台を創ることに力を傾注すれば、絶対に何か得るものがあります。それこそが大切なのです。
舞台は感性の世界。何を以て舞台の成功とするのでしょうか。ほかと比較することに大きな意味があるとは思いません。





東京の千代田区にある帝国ホテルにて、永見先生とカヅラカタ歌劇団顧問の久田さんとの話合いがありました。



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今年のオーディションで熱く語り合う永見先生(右)と 久田さん(左)



久田さんが、「昨年の『1789』を超えることはできないと思われていたが、本年の『ロミオとジュリエット』は、それを超えたという高い評価を得た。永見隆幸&メリー・アーティスツ・カンパニーの指導によるところが大きい。」と、見解を述べられました。

余人を以て代え難いとして、引続き総合指導に携わるように依頼をいただき、お引受けすることが正式に決りました。



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話合いが行われた帝国ホテルのランデヴー・ラウンジ

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部屋で寛がれる永見先生



あわせて、今後カヅラカタ歌劇団がよりよい形で発展するための具体策が話合われ、方向性が定まりました。



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本年の打上で固く握手を交す久田さん(右)と 永見先生(左)





千龝樂カヅラカタ『ロミジュリ』2018
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https://merry-3.blog.so-net.ne.jp/2018-10-14
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永見隆幸 総合指導 Romeo & Juliet 2018


カヅラカタ歌劇団 2018 打上
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https://merry-3.blog.so-net.ne.jp/2018-11-24-2
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永見隆幸 カヅラカタ2018打上参加


永見隆幸オフィシャル・ウェブサイト ♬
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NAGAMI Takayuki official website ♬


永見隆幸のプロフィールはコチラ ♪
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ザ・ディライトフル・カンパニー社長ご挨拶
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