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永見隆幸 助六 訪問 江戸趣味小玩具 五代目 木村吉隆 浅草 [永見隆幸 江戸文化]



音楽家、著作家、舞台ディレクターの永見隆幸先生が、東京都台東区浅草にある江戸趣味小玩具「助六」を訪問されました。



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助六の五代目店主である木村吉隆さん(左)永見隆幸先生(右)





助六は、江戸末期の慶応二年 =1866年から続く、日本で唯 ただ 一軒の江戸趣味小玩具の店です。
八代将軍吉宗の頃、贅沢禁止令が出され、裕福な町人が楽しんでいた豪華に飾る大型の玩具がご法度になり、その結果、できるだけ小さく精巧な細工を施したり、風刺や洒落を利かせたりした江戸趣味の小玩具が作られるようになったそうです。助六は、普通の玩具ではなく、そういった小玩具や豆おもちゃを専門に扱う店です。
助六という店名の由来には二つの説があるそうです。一つは、花川戸に御宅があり、歌舞伎の花川戸助六に因 ちな んで「助六」とつけたという説。もう一つは、小玩具が「五臓六腑を助ける」と言われることから「助六」と名付けたという説が伝えられています。





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浅草寺「雷門」の永見先生





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助六の小玩具に見入る永見先生





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江戸趣味小玩具「助六」五代目店主の木村吉隆さん





木村吉隆 きむら よしたか
KIMURA Yoshitaka

昭和十二年 =1937年、浅草生れ。 慶應義塾大学経済学部卒。18年間商社に勤め、昭和五十二年 =1977年、42歳にして助六を継ぎ、現在に至る。江戸趣味小玩具「助六」五代目店主。手間暇かけた精緻な職人の仕事と、江戸以来の小玩具文化を今に伝える。著書に、「江戸の縁起物 - 浅草仲見世助六物語」亜紀書房、「江戸暦 江戸暮らし - 浅草仲見世助六 江戸趣味小玩具」亜紀書房、藤井恵子編著「浅草 老舗旦那のランチ」小学館、など。





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「江戸の縁起物 - 浅草仲見世助六物語」亜紀書房、「江戸暦 江戸暮らし - 浅草仲見世助六 江戸趣味小玩具」亜紀書房、藤井恵子編著「浅草 老舗旦那のランチ」小学館。





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助六の小玩具をご覧になって思わず顔が綻 ほころ ぶ永見先生





助六の江戸趣味小玩具を、ごく一部ですが、ご紹介します。

如何に小さいかを実感していただくために永見先生の御手を拝借しました。

詳細は、木村吉隆さんの著書に、写真付で、とても丁寧に紹介されていますので、是非そちらをご覧ください。





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御来迎 ごらいごう

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遂に阿弥陀如来が御姿を現します。

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赤梟 あかふくろう

赤は魔除けの色。梟は、「不苦労」で苦労知らず、「福籠」で福がこもる、「福老」で老いて福の不老長寿。

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鯛車 布製

鯛の赤は魔除けの色。何と言っても「目出鯛」。

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福鼠 ふくねずみ

写真右下の取っ手を回すと厄を食べてくれます。

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鮨 - 寿司

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鼠と猫

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安永元年 =1773年に発行された『江戸二色 えどにしき』という絵本に掲載されている江戸名物の玩具。蓋を開けると鼠が登場しますが、閉じると隠れてしまい、どうしても猫が鼠を捕まえることの出来ない仕組の、絡繰 からくり 玩具です。まるで日本版トムとジェリー。

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鼠の風車

風車に息を吹きかけると、くるくる回って、猫と鼠が追いかけっこを始めます。





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月兎と月見





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阿吽 あうん の蛙


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斑が入った葵の葉の実物と 阿吽 あうん の蛙





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蓮池の錦鯉


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蓮池の錦鯉と 阿吽 あうん の蛙





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賽子 さいころ

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江戸独楽 こま

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江戸独楽 こま と 賽子 さいころ と 阿吽 あうん の蛙





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とんだりはねたり およそ

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これより大きな「とんだりはねたり」は、跳ねさせて遊びますが、この寸法の「とんだりはねたり」は、同じ仕組みを備えてはいるものの、壊れ易いので、鑑賞専用がお勧めです。

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剣玉 けんだま と輪投げ


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剣玉 けんだま


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輪投 わなげ





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煎茶用具一式

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茶道具 生成り


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茶道具 塗り


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長屋の台所

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長屋の台所の左手前にある桶と 阿吽 あうん の蛙

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豆干支 まめ えと

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豆干支 まめ えと と 剣玉 けんだま と 輪投 わなげ





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招き猫と達磨 だるま


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豆干支 まめ えと の中に 招き猫と達磨 だるま





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七福神

恵比寿は豊漁を齎す神様
大黒天は食料と財宝の神様
毘沙門天は武運長久の神様
弁財天は智恵と芸能の神様
布袋は福徳円満の神様
福禄寿は長命を授ける神様
樹老人は長寿を授ける神様


大願成就
商売繁盛
家内安全


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助六の小玩具勢揃い





永見先生に助六と五代目店主の木村吉隆さんについて伺いました。


玩具作りは、職人仕事なんだから、同じ物を同じように作ることができなきゃならないと、木村吉隆さんは、おっしゃいます。助六の玩具は、作者が同じなら、寸法や姿形が殆ど同一なので間違えることはありません。ただ、手仕事が中心なので、素材を切ったり、削ったり、彫ったり、磨いたりする過程で、微妙な表情の違いが生れ、それが絶妙のニュアンスを齎 もたら すのです。木村さんと職人さんの共同作業は、単に何かを精巧に写しているのではないと考えます。何故なら、出来上った作品を拝見すると、アーティストの感性とアルティザンの技術が融合した見事な成果と表現する外ないからです。

助六の玩具は、自分にとって、決して懐古趣味などではなく、江戸時代の生活にまでイマジネーションを膨らませてくれる、感性の刺激剤でもあります。

自分が助六の玩具に惹かれるもう一つの理由は、天然の素材を用いた手仕事という点かも知れません。珪素樹脂などの現代的な人工素材が全く使われていない訳ではありませんが、それは必要最小限に抑えられ、木、紙、土、布、などの天然由来の素材を中心に玩具が作られています。

江戸時代は、現代と比較して、実際に、リサイクルが徹底されており、無駄が極めて少なかったと言われています。助六の玩具に触れていると、その小さな宇宙の中に、豊かな自然の循環すら感じさせてくれるのです。

木村吉隆さんは自らを小商人 こあきんど と定義します。しかし、我々は、それを単に謙虚な意思表示と誤解してはなりません。粋 いき も行き過ぎると野暮になります。小粋 こいき が一等粋なのだと言う方もいます。小というのは、サイズが小さいことを意味しているとは限らないのです。行過ぎのないドンぴしゃりの状態を指す時に、江戸っ子は、小を使うと言えるのかも知れません。その意味でも、木村さんを、商人の中の商人と呼んでも間違いではないでしょう。面白いコンセプトをお持ちで、江戸独楽のように芯がシッカリしていてブレず、迷いの無い方なのです。

自分は、おもちゃという物に興味がある訳ではありませんが、助六の玩具だけは、自分の感性に強く鋭く訴えるものがあります。助六と五代目店主の木村吉隆さんは、自分にとって正に特別な存在なのです。





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談笑する永見先生(右)と 助六 五代目店主の木村吉隆さん(左)





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