永見隆幸 御箸司 市原平兵衞商店 訪問 京都 老舗 箸専門店 [永見隆幸 箸]
音楽家、著作家、舞台ディレクターの永見隆幸先生が、京都の下京区小石町にある御箸司「市原平兵衞商店」を訪問されました。
永見隆幸先生(左)御箸箸司「市原平兵衞商店」八代目店主の市原高 いちはらたかし さん(右)
温故知新を実践なさり、分野を問わず、古い物にも新しい物にも興味を示される永見先生。
その中でも、木や紙や土や布などの、天然自然由来の材料を用いた手仕事の作品がお好みのように拝察します。
選ばれるものは、永見先生の芸術的な感性を刺激し、かつ職人の精緻な技術に裏打ちされたものばかり。
櫛は想定外でしたが、扇子は想定内。しかし、お箸は、意外でした!
お箸にも造詣が深い永見先生。伺ったお話を、早速、纏めて記事にさせていただきます。
市原平兵衞商店は、禁裏御用御箸司、つまり宮内省御用達の名店で、老舗料亭の花板さんたちなど数多くのプロの料理人に愛されて来ました。創業は、明和元年 =1764年、第百十七代 後桜町 ごさくらまち 天皇の御代、第十代将軍徳川家治の時代です。何と、四百種を超える箸が常備されており、日本広しと雖も、普段使いから茶事や仏事に至るまで、全ての種類の箸が揃うのは恐らく御箸司「市原平兵衞商店」だけと言われています。
熱心に箸をご覧になる永見先生
この祝箸は、手仕上げ。両端が削られて中央が丸みを帯びています。素材は車水木 クルマミズキ。実は、英照皇太后 えいしょうこうたいごう さまのお使いになられた御膳箸の写しです。英照皇太后さまは、孝明天皇の女御であらせられ、明治大帝の御嫡母として皇太后に冊立されました。
平安箸 拭漆仕上
平安箸 白竹溜塗分
当代の八代目が考案されたのは、若い真竹を使い、粘りが強く、細くて軽い「平安箸」。平安箸に用いている素材は、京都で育った三年目の竹です。弾力性があり、手元に塗られた漆の独特の質感も味わうことができます。
先代の七代目が考案なさったという「みやこばし」は、稀少な煤竹を使った看板商品です。普通の竹に比べて腐食し難いのが特徴で、自然についた煤竹の模様は、得も言われぬ味わいがあります。
煤竹 すすたけ は、天井裏などに使用されていた竹が、囲炉裏や竈 かまど の煙で燻 いぶ され、およそ百五十年の年月を経て頑丈に変化した竹です。古い建物が減少すると共に採取されなくなり、今では大変貴重な素材になりました。
みやこばし ~ 煤竹を中心に色々な表情を浮かべる竹箸たちのニュアンスも豊か ♬
今年だけ見ても、朝日新聞出版の「京都はんなり こものとおやつ」、クロワッサンの「暮らしの道具・決定版」、&Premiumの「暮らす人に教わる、京都ガイド」、ほぼ日発行の「まさこ百景」などに掲載されており、御箸司「市原平兵衞商店」は、実に多くのメディアに取上げられています。
栗枝箸
昔は、漆器の質が今ほどよくなかったようで、栗の樹液が漆かぶれを防ぐ働きがあると言われ、重用されたそうです。
黒文字箸 ~ 御茶事 懐石道具
もちろん黒檀や紫檀などの銘木箸もあります。
これは蛇紋木。別名、スネーク・ウッド、虎紋木、豹麗木、レオパード・ウッドなどと呼ばれる世界最高峰の銘木材の一つ。堅牢さと稀少価値によって「木のダイヤモンド」と称されています。
白竹熨斗付箸 しらたけのしつきばし 尺一
【箸の歴史】
大陸から日本へ箸の文化が伝来し、箸が用いられるようになったのは縄文時代からと言われています。神様の御供物を掴む道具として鑷子 せっし(ピンセット)のような形の箸が用いられ、弥生時代に調理の道具として使われるようになり、現在の形になったようです。箸が庶民にも使われるようになったのは奈良時代以降のことだそうです。
最も古い箸は、中国、殷王朝の都である殷虚から発掘された青銅製の儀礼用の物と考えられています。
奈良県正倉院の御物の中から発見された物は、鑷子 せっし(ピンセット)のような、鉄製の掴む道具でした。大襄祭では、祭器として、一本の竹を削って中央部を折り曲げた鑷子 せっし(ピンセット)型の箸を使用したと記録されています。
昭和三十八年 =1963年、平城宮跡より、食器と共に数百膳の杉や桧製箸が発掘されました。同時に発見された出土品等から、この箸は、奈良時代中期以前の物とされ、奈良時代には二本の棒状の箸が普及していたと考えられています。現時点では、七世紀後半の飛鳥板蓋宮跡と藤原宮跡より出土した箸が、日本最古とされます。
『古事記』には、建速須佐之男命(素戔男尊)スサノオノミコト が出雲の国 鳥髪 とりかみ(現在の奥出雲町鳥上)の地で、簸川 ひのかわ(肥の河 現在の斐伊川)に「箸」の流れ来るのを見て、上流に人ありきと気付いて遡り、見事、八岐大蛇 ヤマタノオロチ を退治して天叢雲剣 アメノムラクモノツルギ (草薙剣 クサナギノツルギ )を得たという、俗に言う「箸拾いの神話」があります。
御箸箸司「市原平兵衞商店」八代目店主の市原高 いちはらたかし さんから説明を受けられる永見先生
驚いたのは、お話をされ始めて間もなく、市原さんが永見先生に「どんな景色のお箸がお好きでいらしゃいますか」と、お尋ねになったことです。「この方は、当然、『景色』を理解されるだろう」という自然の流れで、永見先生が「お目利き」である事を、直ぐに見抜いておられたのです。
煤竹箸こかし 拭漆仕上 二種
堅牢な作りの木製箸箱
竹箸箱「寿恵廣 すえひろ」
煤竹箸置
豆匙
三角楊枝
小物なども極めて充実しています。
展示用の箸と写真に納まる永見先生
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