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平八茶屋 永見隆幸 訪問 京都 山端 料亭旅館 懐石 [永見隆幸 飲食店]



音楽家、著作家、舞台ディレクターの 永見隆幸先生が、京都の山端 やまばな にある老舗料亭旅館「山ばな 平八茶屋 へいはちぢゃや」を訪問されました。



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山ばな 平八茶屋の創業は、天正4年=1576年、今から440余年前、安土桃山時代です。東に比叡山、西に高野川を臨む洛北の地にあります。越前の国 現在の福井県から京都へ海産物を運ぶ街道として発達した若狭街道 別名 鯖街道沿いに、旅人の憩いの場として出来た茶屋が平八茶屋の始まりです。茶屋を営みながら、雑貨も扱い、当時は「萬屋平八」と呼ばれていたのだとか。江戸中期に麦飯とろろ専門店に、江戸後期には旅籠 はたご になったそうです。
平八茶屋に関する著書に、第二十代当主 園部平八『京料理人 四百四十年の手間「山ばな 平八茶屋」の仕事』(岩波書店)があります。





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江戸時代の旅行案内書『拾遺都名所図会』第三巻 山端 やまばな には、「麦飯ちゃ屋」として記載されています。


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江戸後期の『浪花講定宿帳』には、「いも汁や平八」と記載されています。





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正面玄関に建つ風格漂う佇 たたず まいの門は、騎牛門 きぎゅうもん。山口県 萩の禅寺にあったものを譲り受けたのだとか。築400~500年以上と言われ、京都市の景観重要建造物に選定されています。


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二本の大きな欅 けやき を門の脚に用い、上に柿葺 こけらぶき の庵を抱いた形。庵の左右には仏像を安置する空間が存在し、寺院にあった名残が伺われます。高さ一歩=五尺=1.6mの、 所謂 いわゆる 下馬下乗 げばげじょう の門。牛馬に乗ったまま通る事を許されない門として、格式の高い寺院に設けられることが多かったようです。





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平八茶屋と言えば、夏目漱石を思い起こす方も多いのではないでしょうか。
明治二十五年=1892年7月9日、夏目漱石と正岡子規が平八茶屋に立寄り、川魚料理を食した後、比叡山に登ったと日記に記されています。明治四十年=1907年4月10日には、奈良へ行く途中、京都に立ち寄った高浜虚子と春雨の中、平八茶屋を訪れ、昼飯に川魚を食べたようです。
『虞美人草』の甲野と宗近の会話に「今日は山端の平八茶屋で一日遊んだほうがよかった。」と、『門』にも第十四節の宗助と安井の遣取りの中に「ある時は、平八茶屋まで出掛けて行って、そこに一日寝ていた。」とあります。

高浜虚子も平八茶屋を句に詠んでいます。
 平八に自働車又も花の雨
 平八と春水隔て隣りけり

江戸時代の北前船頭の自叙伝『川渡甚太夫一代記』や田辺栄一『円山応挙』にも平八茶屋の名が出て来ます。

頼山陽や岩倉具視にも縁があり、幕末には、勤王志士の会合場として新撰組に睨まれていたのだとか。





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騎牛門を潜 くぐ って段々目に入って来る庭の景色は、こんな感じ…





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庭の方から見た騎牛門と永見隆幸先生


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騎牛門より石畳を通って中に進むと約六百坪の回遊式の庭園が広がります。見所満載!





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庭の散策を楽しまれる永見先生





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つくばい


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本日、湯殿は貸切。という事は… 永見先生が風呂場を独占!





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不老門:騎牛門の方から


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不老門:奥庭の方から





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池の上に…





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岩に根付いた木


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鹿威 ししおどし


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この奥にもまだ庭が…


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平八茶屋名物の一つ「とろろ饅頭」
上に載っているのは麦焦 むぎこが





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部屋にて高野川 たかのがわ の潺 せせらぎ を楽しまれる永見先生





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高野川 たかのがわ


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部屋から庭の景色も楽しめます。


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山ばな平八茶屋 大女将 園部道代さん(左)の御挨拶を受けられる永見先生(右)
註)写真撮影の折のみマスクを外されています。





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これも平八茶屋名物の「一塩ぐじ」


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湯葉 雲丹





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土瓶蒸


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松茸 海老 卵


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八寸


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焼物


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平八茶屋名物 ぐじの若狭焼と伊勢海老の雲丹のせ。特に、日本海で獲れる赤甘鯛を指して「ぐじ」と呼びます。若狭焼と松笠焼を混同している方もおられるようですが、若狭焼きは鱗 ウロコ を立てずに焼き、松笠焼きは鱗 ウロコ を立てて焼くと、永見先生に教えていただきました。
手前は、平八茶屋で削り出した自家製の栗枝箸。永見先生が仰 おっしゃ るには、昔は主に漆器が用いられており、栗の樹液が漆かぶれを防ぐ働きがあると言われていたので、正月は、栗枝箸で雑煮を祝うことが多かったそうです。本当に何でもよくご存知で…


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山ばな平八茶屋 女将 園部典子さん(左)の御挨拶を受けられる永見先生(右)





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穴子





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蒸鮑 松茸





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平八茶屋名物「ぐじ酒蒸」

永見先生は、魚を召上るのが驚異的にお上手。全く骨だけになってしまったぐじを見て、中居さんが驚き、思わず声を上げていました。





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粘りの強い丹波産の仏掌薯 つくねいも を優しく丹念に摩り下ろし、北海道礼文島香深浜で採れる天然の利尻昆布と鹿児島県枕崎産の本枯れ節の鰹節を使った秘伝の出汁で味付けした麦飯とろろ汁は、創業以来の名物料理だそうです。


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水物





平八茶屋の料理について永見先生に伺いました。

素材がよく吟味されており、下拵も仕込も、ちゃんとしていました。食材のよさを充分に引出し、臭みも雑味もない、誠に結構な懐石料理です。名物と言われる料理は、その名に恥じぬ美味しさでした。





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浴衣に着替えて寛がれる永見先生





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いざ貸切の湯殿へ!


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平八茶屋名物 かま風呂

壬申の乱の折、大海人皇子 おおあまのみこ/おおあまのおうじ が矢傷を負って八瀬 やせ の里に逃げられた時、村人達が土の室 むろ を造り、傷を温めて治したと伝えられています。それ故に、元々八瀬は、矢背と書いたのだとか。





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かま風呂の扉を開けると内部は こんな感じ…


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内部に敷かれているのは荒筵。陶器の枕を用います。かま風呂内の温度は摂氏55~60℃と、比較的温度が低いために心臓や筋肉への負担も少ないので、ゆったりと楽しめるそうです。





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今では殆ど目にすることのない日本古式のサウナと言えるのかも知れません。





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風呂から上ると、とっぷりと日が暮れていました。





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翌朝の食事が、これまた絶品だったそうです。





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永見先生を不老門で待つ 山ばな平八茶屋 女将 園部典子さん(左)

騎牛門にて、永見先生の姿が見えなくなるまで、お見送りをしてくださいました。





永見先生が仰 おっしゃ るには、平八茶屋にて、心から寛ぐことが出来たそうです。過剰な接待も不足も無く、肩肘張らぬ温かい持成しが嬉しかったと、洛北のひと時を心行くまで満喫されたご様子でした。





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比叡山延暦寺に向うため三揃いをお召になる永見先生





永見隆幸
NAGAMI Takayuki


音楽家 著作家 舞台ディレクター

20代から30代の殆どを欧米で過ごし、国際的な実力派アーティストとして活躍。クラシック、現代音楽、ジャズを中心に数々のオーケストラと共演する。

モーツァルトなどの独墺系オペラをはじめ、ビゼー『カルメン』ホセ、ヴェルディ『椿姫』アルフレード、プッチーニ『ラ・ボエーム』ロドルフォほか、オペラやオペレッタの主演多数。
ミュージカルでも、『ガイズ&ドールズ』ネイサン、『ラ・マンチャの男』ドン・キホーテ、『アニーよ銃をとれ オリジナル版』フランク、『キス・ミー・ケイト』フレッドなど数多くの主演を務め、『キャバレー』MCや『アニー』ウォーバックスなど、ユニークな役も演じている。

ヴェルヴェット・ヴォイスのマエストロと称され、トリノ王立歌劇場などに出演する。数多くのコンサートでソリストを務め、指揮者や指導者としても定評がある。
日本では、文化庁芸術祭主催公演やNHKクラシック・スタジオなどに出演。

音楽家のデューマス博士が「アメリカ大学時代から彼はずっとスターだった」と語るように、BHSア・カペラ世界チャンピオン "Crossroads" との共演をはじめ、常に脚光を浴びている。

メリー・アーティスツ・カンパニーにおいて、全公演の芸術監督と、『ザ・ヴォイス Frank Sinatra』フランク・シナトラ役、『ラプソディーdeパパ』ジョージ・ガーシュウィン(ガーション)役、『ベリー・メリー・クリスマス』アーヴィング・バーリン役、『BOBBY』ボビー・ダーリン役ほか、多くの主役を務めた。

ジャズでは、スタンダードの歌唱が心に残ると言われ、ビッグ・バンドと渡り合う圧倒的な存在感や抜群の表現力が高い評価を得ている。
メリー・アーティスツ・ジャズ・オーケストラのリード・ヴォーカル。CD『My Blue Heaven』『Joyful Christmas』などをリリース。

東海地方においても活躍。名古屋市芸術創造センター開館30周年記念公演『Mr.ブロードウェイ』で主演のジョージ・M・コーハン役、名古屋市民芸術祭主催公演『マイ・ブルー・ヘヴン』では指揮者のみならず上等兵の英霊とジャズ・シンガーの二役を務め、絶賛された。毎週土曜日15:55放送のラジオ番組 FM AICHI 80.7「サウンド・ステップス」のレギュラー・ゲストとしても知られる。

天才肌で芸術家気質の行動人、論理的かつ哲学的な思惟の人、という二つの面を併せ持つと文芸評論家の清水信に評された。芸術評論家の馬場駿吉は、「永見隆幸は多面体、その核心には強い自由の希求がある。」と述べている。芸術家として様々な顔を持ちながら、話題性や知名度に関心を示さず、謎に包まれたアーティストして知られる。
美術にも造詣が深く、「目利き めきき」や「見巧者 みごうしゃ」と呼ばれている。
著書に、『銀の光輝-しろがねのこうき』(NG出版)など。

現在、メリー・アーティスツ・カンパニー芸術監督、ザ・ディライトフル・カンパニー Artistic Director、東京二期会 会員、ほか。
(プロフィール作成:ザ・ディライトフル・カンパニー)





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