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平成中村座 十月大歌舞伎 初日 永見隆幸 観劇 令和四年 猿若町発祥180年記念 [永見隆幸先生information]



音楽家、著作家、舞台ディレクター、メリー・アーティスツ・カンパニー芸術監督、ザ・ディライトフル・カンパニー芸術監督の永見隆幸先生が、四年ぶりの浅草寺 せんそうじ での開催になる令和四年「平成中村座 十月大歌舞伎」初日に観劇されました。



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お大尽 だいじん 席と呼ばれる特別席にて観劇される永見隆幸先生





今から180年前の天保十三年(1842年)二月、中村座を筆頭に市村座と森田座の江戸三座が、浅草寺北側の聖天町へ移転し、一躍、芝居の町に。その年の四月、聖天町は、江戸歌舞伎の源流、初世猿若勘三郎に因んで猿若町と町名を改めたそうです。そして十月五日、愈々 いよいよ 中村座が初日を迎えたのです。
この度の平成中村座の公演は、猿若町発祥180年を記念して行われます。





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混雑を避けて浅草寺本堂裏広場の方からお入りになられました。





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明治の名歌舞伎役者と謳 うた われた成田屋九代目市川團十郎丈の暫 しばらく 像がある方です。





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平成中村座の檜製大看板

橘右之吉:題字
福善堂坂井看板店:額彫漆塗
指物益田:額縁





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五軒長屋に出店していらっしゃる橘右之吉師匠(左)表敬訪問なさる永見先生(右)

何と永見先生の招木 まねき 看板が 中村勘九郎丈と中村七之助丈の招木看板と共に 掛けられています!

橘右之吉師匠の有難く嬉しいお心遣い!
永見先生のお大尽席も師匠のお力添えがあったのだとか…





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第十八代中村勘三郎丈の目





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撮影クルーもスタンバイ





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お大尽席から見た劇場内


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下手側


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平成中村座の大提灯





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お大尽席を整えてくださるお茶子さん


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永見先生によると至れり尽せりのホスピタリティなのだそう!





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特別席「お大尽席」





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撮影の瞬間だけ、永見先生にマスクを外していただきました。


永見隆幸
NAGAMI Takayuki

音楽家/著作家/舞台ディレクター
20代から30代の殆どを欧米で過ごし、国際的な実力派アーティストとして活躍。クラシック、現代音楽、ジャズを中心に数々のオーケストラと共演する。

ヘンデルなどのバロック・オペラや、モーツァルトの『魔笛』タミーノ、『コジ・ファン・トゥッテ』フェランド、『後宮からの誘拐』デルモンテや、ヴェーバー『魔弾の射手』マックスなどの独墺系オペラをはじめ、ビゼー『カルメン』ホセ、ヴェルディ『椿姫』アルフレード、プッチーニ『ラ・ボエーム』ロドルフォほか、オペラやオペレッタの主演多数。
ミュージカルでも、『ガイズ&ドールズ』ネイサン、『ラ・マンチャの男』ドン・キホーテ、『アニーよ銃をとれ オリジナル版』フランク、『キス・ミー・ケイト』フレッドなど数多くの主演を務め、『キャバレー』MCや『アニー』ウォーバックスなど、ユニークな役も演じている。

ヴェルヴェット・ヴォイスのマエストロと称され、トリノ王立歌劇場などに出演する。数多くのコンサートでソリストを務め、指揮者や指導者としても定評がある。
日本では、文化庁芸術祭主催公演やNHKクラシック・スタジオなどに出演。

音楽家のデューマス博士が「アメリカ大学時代から彼はずっとスターだった」と語るように、BHSア・カペラ世界チャンピオン "Crossroads" との共演をはじめ、常に脚光を浴びている。

メリー・アーティスツ・カンパニーにおいて、全公演の芸術監督と、『ザ・ヴォイス Frank Sinatra』フランク・シナトラ役、『ラプソディーdeパパ』ジョージ・ガーシュウィン(ガーション)役、『ベリー・メリー・クリスマス』アーヴィング・バーリン役、『ザ☆ブロードウェイ』バーディ・ウォリントン役、『BOBBY』ボビー・ダーリン役ほか、多くの主役を務めた。

ジャズでは、スタンダードの歌唱が心に残ると言われ、ビッグ・バンドと渡り合う圧倒的な存在感や抜群の表現力が高い評価を得ている。
メリー・アーティスツ・ジャズ・オーケストラ MAJO のリード・ヴォーカリスト Lead Vocalist。CD『My Blue Heaven』『Joyful Christmas』などをリリース。現在、新録音進行中。

東海地方においても活躍。芸術創造センター開館30周年記念公演『Mr.ブロードウェイ』で主演のジョージ・M・コーハン役、名古屋市民芸術祭主催公演『マイ・ブルー・ヘヴン』では指揮者のみならず上等兵の英霊とジャズ・シンガーの二役を務め、絶賛された。放送300回を超えて長寿番組となった毎週土曜日15:55放送のラジオ番組 FM AICHI 80.7「サウンド・ステップス」のレギュラー・ゲストとしても知られる。

天才肌で芸術家気質の行動人、論理的かつ哲学的な思惟の人、という二つの面を併せ持つと文芸評論家の清水信に評された。芸術評論家の馬場駿吉は、「永見隆幸は多面体、その核心には強い自由の希求がある。」と述べている。芸術家として様々な顔を持ちながら、話題性や知名度に関心を示さず、謎に包まれたアーティストして知られる。
美術にも造詣が深く、「目利き めきき」や「見巧者 みごうしゃ」と呼ばれている。
著書に、『銀の光輝-しろがねのこうき』(NG出版)など。

現在、メリー・アーティスツ・カンパニー芸術監督、ザ・ディライトフル・カンパニー Artistic Director、東京二期会 会員、ほか。
(プロフィール作成:ザ・ディライトフル・カンパニー)





永見先生に平成中村座十月大歌舞伎について伺いました。



自分が観たのは、有吉佐和子『綾の鼓 あやのつづみ』と宮藤官九郎『唐茄子屋 とうなすや ~ 不思議国之若旦那 ふしぎのくにのわかだんな』の近現代物二作です。

舞踊劇『綾の鼓』は35年ぶりの上演になるそうです。元になる能の『綾鼓 あやのつづみ』は執心男物ですが、有吉は、恋い慕う華姫に翻弄される三郎次と見守る秋篠の人間模様を綴 つづ りました。有吉のほかに三島由紀夫、山崎正和、野上八重子らも戯曲に書起こしています。秋篠の三世中村扇雀、華姫の二世中村鶴松、三郎次の初世中村虎之介ともに、実によい仕事をしており、この作品の持つ切なさを過不足なく描き出していたと思います。コロナ下でなければ、間違いなく、成駒屋、中村屋、と声を掛けていたところでしょう。

浅草を舞台にした落語『唐茄子屋政談 とうなすや せいだん』を元に、宮藤官九郎が新作にヴァージョン・アップして演出も手がける歌舞伎『唐茄子屋~不思議国之若旦那』の初演に立会えたのは幸甚でした。
話は変わりますが、宮藤官九郎の大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺 ばなし』は、視聴率がとれなかったという噂です。しかし、自分は、本も極めて面白く役者も誠によかったと考えています。良質の作品がウケるとは限らないし、人気のある作品が必ずしも質が高いとは限りません。
この作品『唐茄子屋~不思議国之若旦那』には、随所に『不思議の国のアリス』を思わせる味付がしてあり、スパイスがよく効いて、それ故に面白さ倍増と感じました。
下ネタもあって、決して上品とは言えませんが、カラッとしたネタで嫌味が無く、許容範囲内だったのではないでしょうか。少なくとも客席は大喜びでした。
全体的にリズムがあってテンポもよく、スピード感のある佳い流れが出来ていたと感じます。
六代目の長台詞など、技術を要する処が山ほどありますが、技術のひけらかしに終らず、表現に昇華していたのは流石というほかはありません。全ての役者が自分の役回りをちゃんと理解して務めていたように思います。官九郎も厳しく演出したのでしょうし、役者もそれによく応えていました。
大向う禁止なのですが、堪 こら え切れず、自分にしか聞こえないような小さな声で、中村屋、大和屋、萬屋などと声を掛けていました。言うまでもなく、この人情喜劇を心行くまで楽しんだのです。
歌舞伎の下座音楽としても用いられる「さわぎ」は、ほかの芝居においても、遊里の場面などで舞台転換の際に使われることが多いのですが、ここでも活躍。歴史と伝統を踏えた上で新しい事に挑戦する「浅草の江戸っ子文化」を、ちゃんと踏襲しているように感じました。
作品のメッセージ「生きる事はみっともない」は、心に響きます。宮藤官九郎ならではの、人生の全肯定と捉えてもよいでしょう。
宮藤官九郎が中村座に来ていたのですけれど、万雷の拍手の中、役者たちが官九郎を呼び招くものの、彼が舞台に上ることはありませんでした。もちろん拍手を送りたい気持ちはありますが、自分は、官九郎の心を思い、粋 いき だと感じました。
『唐茄子屋~不思議国之若旦那』は、時代に揉まれ、間違いなく古典の地位を獲得する作品になるであろうと考えています。


『唐茄子屋~不思議国之若旦那』配役
・中村 勘九郎:若旦那徳三郎
・中村 獅童:大工の熊
・中村 七之助:傾城桜坂/お仲
・坂東 新悟:第二太夫/源六倅源助
・中村 虎之介:眠 善治郎
・中村 勘太郎:若旦那(小)
・中村 長三郎:お仲倅イチ
・中村 鶴松:丹生林/海苔屋のおたね
・澤村 國矢:半公
・中村 歌女之丞:山崎屋おりき
・荒川 良々:達磨町の八百八/吉原田んぼのあめんぼ
・片岡 亀蔵:番頭小辰/吉原田んぼの蛙ゲゲコ
・坂東 彌十郎:大家源六
・中村 扇雀:八百八女房よし/吉原田んぼの蛙ゲコミ





永見先生のご許可を得て、お大尽席観劇記念の手土産の数々をご紹介します。





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平成中村座 十月大歌舞伎 筋書





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カラー写真入で しっかりした装丁の豪華版





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平成中村座の千社札 せんしゃふだ





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第十八代中村勘三郎丈の目と眉毛のシール





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水筒 Thermo bottle 450ml





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左手前に控ぇしは…


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今売出し中の 浅草駒形 木花之醸造所 の甘酒





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扇形小皿





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手拭





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龍昇亭「西村」の和菓子「金龍」


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中村屋の芸紋「角切銀杏 すみきりいちょう」もクッキリ





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こちらも龍昇亭「西村」の生菓子


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煉切 二種


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お大尽席で供される飲物が入っていた透明プラスチック・カップ

永見先生は三種類ともお持ち帰りになりました!





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千社札 せんしゃふだ





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六代目中村勘九郎丈サイン入





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二代目中村七之助丈サイン入





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お大尽席で見得をされる永見先生

大見得を切るという慣用句がありますが、永見先生によると、歌舞伎の世界では余り用いず、幕内では「見得をする」と表現することが多いそうです。
類似表現の「啖呵を切る」と、混同されて仕舞ったのかも知れませんね。





永見隆幸の最新プロフィールはコチラ
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This is Takayuki NAGAMI


ディライトフル・グループ HP
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永見隆幸 オフィシャル・ウェブサイト
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