永見隆幸 比叡山延暦寺 元三大師御廟 墓参 [永見隆幸先生information]
音楽家、著作家、舞台ディレクターの永見隆幸先生が、比叡山延暦寺の千日回峰行者特別護摩祈祷に参加されるのに先立ち、元三大師御廟 がんざんだいし みみょう 、つまり、慈恵大僧正良源師の墓所に参られました。
元三大師道 がんざんだいしどう に佇む 永見隆幸先生
比叡山の横川 よかわ は、元三 がんざん 大師の呼び名で慕われる天台中興の祖 第十八代天台座主 慈慧 じえ 大僧正 良源師が長く修行を積み、元三大師堂または四季講堂と呼ばれる所縁 ゆかり の堂宇があります。元三大師御廟 みみょう、つまり、慈恵大僧正良源師の墓所は、その裏手の奥に安置されているのです。元三大師御廟は、比叡山四大魔所と呼ばれる聖地の一つとされています。魔所とは、凶事が起こる所や魔物が住む処などの禍々しい場所ではなく、清浄の地という意味です。それ故 ゆえ に、殊 こと の外 ほか、身を慎まなくてはならない処なのです。
天台宗の開祖 最澄 さいちょう の再来と謳 うた われた元三大師は、人並み外れた法力を以て様々な姿に変じ、衆生を救ったと言い伝えられ、今なお多くの人々の篤い尊崇を集めています。
永見先生は、立派な修行者として、良源師に深厚な敬意を抱いていらっしゃるそうです。
延暦寺は京都の鬼門にあります。横川は、その延暦寺の鬼門に当ります。その横川の鬼門に位置する究極の鬼門こそ、元三大師御廟なのです。
御廟は、横川最北の地である香芳谷の香芳尾 かぼうお に安置され、西からの龍馬場 たつがばんば、東からの猿馬場 さるがばんば、二つの参道に通じています。
龍馬場から御廟に向われる永見先生
降りしきる雨で足元の悪い中、革靴をお履きになっているにも拘らず、永見先生は、同行スタッフが追付くことの出来ない位の速さで、御廟に吸い寄せられるかのように、舗装されていない険阻な山道を登って行かれます。その若々しいエネルギーが何処から溢れ出て来るのかと、先生の健脚に、スタッフは驚くばかりでした。
深閑とした山道には、我々以外に誰もいません。
いよいよ元三大師御廟に到着された永見先生
御堂の前に佇む永見先生
元三大師御廟拝殿 重要文化財
江戸中期/寛文十三年頃=1673年~延宝八年=1680年
桁行四間、梁間三間、一重、寄棟造、向拝一間、一棟。
御廟の周りにも、どなたもおられず、静寂が支配しています。
元三大師御廟は、天禄二年=971年の「慈恵大僧正御遺告 じえ だいそうじょう ごゆいこく」に則って造営されました。
慈恵大僧正御遺告には、墓地を北方勝地に築くこと、棺桶を生前に造ること、没後三日以内に葬送すること、四十九日内に卒塔婆を建立すること、素服縄帯せぬこと、そのほか、入棺所、荼毘所、拾骨所配役などについて記されていました。
墓所の周りは綺麗に掃き清められており、手入れが行き届いています。
比叡山延暦寺では、元三大師が今なお現世にあって修行を重ね、衆生を救済し賜うとされています。
布施物を貰って戴く永見先生
傘をお持ちしようとする同行スタッフを制し、傘を置いたまま、雨に濡れるのも構わず、一心不乱に祈りを捧げる永見先生。
この時、驚くべき事が起こりました。雨が降っているのに、一条の光が永見先生に射したのです。
永見先生は、やはり何かを持っていらっしゃる方だと思い、その事をお伝えすると、「単なる偶然です。君子怪力乱神を語らず。」と仰 おっしゃ り、笑っておられるばかり。
後で調べたら、君子怪力乱神を語らずとは、立派な人間になろうと心がけているような人物は、道理に背く事や理性で説明がつかないような物については語らないものだという意味らしいのですが…
塔身は八角形多面石幢の卒塔婆。幢の頂に饅頭形の石が載せられ、笠は宝珠になる。
極めて簡素で占地茸を思わせる形
元三大師は、「亡骸を比叡山の鬼門の方角に捨て置き、墓地を掃除せぬこと。魔王となっても未来永劫に比叡山を護る。」と遺言されたそうです。永見先生も「覚悟の人」なので、こういうところに共鳴なさるのかも知れません。
元三大師御廟の様式は、横川式廟墓と呼ばれています。
この記事は、永見先生に教えていただいた話を基に纏めました。本当に何でもよくご存知で、単に博覧強記と言うだけでなく、豊かな見識や鋭い感性をお持ちなので、造詣が深いと申し上げるほか、表現の仕方が見当りません
元三大師御廟にお参りしたあと、元三大師堂を訪れて、ある事を知り、吃驚仰天 びっくりぎょうてん しました。
何と、この日が、慈恵大僧正良源師ご生誕の日だったのです!この事は、永見先生を含めて、もちろん誰も知りませんでした。
先生も初めて元三大師御廟に墓参されたのですが、迷うことなく物凄い速さで引寄せられるように御廟へ向われたこと、御廟で永見先生に射した一条の光のこと、それと知らずに元三大師ご生誕の日に墓参なさったことなどを考え併 あわ せて、やはり先生は、何かを持っていらっしゃる方だと確信しました。君子怪力乱神を語らずと、先生は、笑われるでしょうけれど。
木々が鬱蒼と茂る比叡山。雨に煙 けぶ る比叡の森に、霊気溢れる山の息吹を感じ、思わず姿勢を正しました。
永見隆幸 千日回峰行者特別護摩祈祷 参加
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比叡山延暦寺 首楞厳院 横川中堂 内陣
元三大師 慈恵大僧正良源師 永見隆幸
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橘右之吉 角大師 揮毫
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