橘右之吉 千社札 揮毫 制作 ザ・ディライトフル・カンパニー [ディライトフル情報]
ザ・ディライトフル・カンパニーのメンバー全員の千社札 せんしゃふだ を制作しました ♬
千社札 せんしゃふだ を揮毫 きごう、制作してくださったのは、橘流寄席文字書家で江戸文字の大家として知られる橘右之吉さんです!
右側、臙脂のところにザ・ディライトフル・カンパニーの社名、そして、左側、唐桟縞 とうざんじま のところにメンバーの個人名が記されている、何とも粋な千社札が出来て来ました ♬
橘右之吉さん(左)永見隆幸先生(右)東京都文京区湯島にある橘右之吉さんのアトリエ「うのす UNOS」にて
厳密に言うと、制作していただいたのは、千社札 せんしゃふだ ではなく、ミニ千社札シールです。
ミニ千社札シールは、橘右之吉師匠が考案、開発されました。神社仏閣に貼る題名納札とは用途が異なります。先人の育んできた江戸伝統の文字と造形、そして心はそのまま受継ぎ、使い易くミニチュア化し、多色刷オフセット印刷で表現した、注文生産のオリジナル・シールです。
コロナ禍による閉塞感を打破し、連帯感とヤル気の醸成を図るために、橘右之吉師匠に千社札の揮毫と制作をお願い致しました。本物は、常に期待を上回るものですが、今回の千社札も、大きく予想を超える素晴らしい出来栄えで、皆が感激していました。これで、明るく前へ進むための材料が、また一つ増えました ♬
右側が、ザ・ディライトフル・カンパニーのメンバーとして制作された永見先生の千社札 せんしゃふだ
左側は、プライヴェートでも使える、永見先生の愛称「たかさん」を用いて、大入袋を想起させる意匠で制作された千社札
メリー・アーティスツ・カンパニーの大入袋も、橘右之吉師匠が揮毫 きごう、制作してくださいました。
大入袋が出来上って大喜びの永見先生
実は、降魔大師や厄除大師の異名をとる、疫病退散に霊験あらたかな角大師こと、慈恵 じえ 大僧正良源師の色紙も師匠に揮毫 きごう していただきました!
永見先生の千社札 二種をお持ちになる橘右之吉師匠
師匠の千社札にご満悦の永見先生
桜井ゆう子の千社札
安藤麻実の千社札
目次恭子の千社札
加藤雅之の千社札
永見先生の招木 まねき を挟んで 永見先生(左)と 橘右之吉師匠(右)
永見隆幸 橘右之吉 UNOS 訪問
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橘右之吉 永見隆幸の招木 揮毫 完成
橘右之吉 角大師 大入袋 揮毫
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2020-07-17 10:27
永見隆幸 霞町やまがみ 訪問 日本料理 和食 [永見隆幸 飲食店]
音楽家、著作家、舞台ディレクターの永見隆幸先生が、東京都港区西麻布にある「霞町 やまがみ」を訪問されました。
永見隆幸先生(左)霞町 やまがみ 店主の 山上知亮さん(右)
霞町 やまがみ をミシュラン星付、そして、食通が最後に行着くと言われる名店の一つとして、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
山上知亮さんは、霞町 すゑとみ で10年間務め、店とスタッフ全員をそのまま引継いで独立。平成30年 =2018年5月に「霞町 やまがみ」を開店されました。全国各地より厳選した素材を取寄せ、奇を衒わず、食材の旨味を最大限に引出すことを心がけていらっしゃいます。目利きの確かさと丁寧な仕事が食通を唸らせる正統派の日本料理店です。
「霞町 すゑとみ」の末富康雄さんと「分とく山」の野崎洋光さんは、山上さんの兄弟弟子だとか。
春慶を越前で仕上げた折敷
鮑
牡丹鱧 ぼたんはも
永見先生曰 いわ く、骨切は完璧、葛もうち過ぎることなく、熱の入れ方も天晴れ、鱧本来の味が堪能できたと、甚 いた く御機嫌麗しくていらっしゃいました。
鰈と雲丹
雲丹の中でも特に美味とされて最高級の評価を受けているのが、この、唐津の「赤雲丹」。漁獲量が極めて少なく、「幻の雲丹」と呼ばれています。永見先生によれば、独特の甘みと上品な味わいが特長だそうです。
ぐじ 赤甘鯛
唐墨 からすみ の寿司
賀茂茄子の揚出し
稚鮎を頭から召上る永見先生 本当に魚がお好きでらっしゃる…
鼈 すっぽん の焼
永見先生がおっしゃるには、「明 みん の呉須皿で出してくださり、面白い虫食などがあって趣のある景色、器も楽しみました」ということです。
本当に、先生は、どんな分野でも造詣が深くていらっしゃる。因みに、虫食って何だろうと疑問に思い、調べたら、焼成によって口縁部の釉薬が弾けて素地が現れることらしく、何でも、こういう青染付の器の特徴なんだそうです。
天然海鰻と花山椒
鰻は、古来、沼や池より川が上物、同じ川でも急流の方が上物、本流より支流が上物、それに、秋に捕れる「下り鰻」、河口の海の餌で育った「海鰻」「シャコ鰻」は別格で上物とされるそうです。
天然鰻には、沖あがりなど、頻繁に移動する鰻と、居付や地付と呼ばれる余り移動しない鰻の二種にも大別することができるのだとか。
居付や地付の鰻は癖が強く、通と呼ばれる人の中には、それを好む人もいるそうです。永見先生は、先人の教えには、なかなかに味わい深いものがあるものだとおっしゃっていました。
毛蟹
御飯の御菜 おかず の渡蟹
魚の選択肢が多過ぎ、しかも大好物ばかりだったのて、あれもこれも召上ったとおっしゃる永見先生、〆は、鼈雑炊を諦めて、さっぱりした茗荷御飯になさいました。しかし、白米の御菜 おかず の渡蟹が、とても気になって、茗荷御飯に渡蟹をつけていただくようにお願いされたそうです。
そうしたら、一口だけ召上ってくださいと、山上さんが白米を出してくださったらしいのです。お腹いっぱいでいらっしゃったのですが、折角だからと口にされたら、何故、渡蟹が御飯の御菜 おかず なのか、立所 たちどころ に理解されたそうです。渡蟹は御酒で下拵がされていたらしく、温かい御飯と共に、馥郁たる香りが口中に広がったとか。白米と一緒に食べると、上品な甘さと蟹の味が相まって、得も言われぬ美味しさを体験されたらしいのです。
永見先生、頻りに山上さんへの感謝の言葉を口にされていました。
私の想像ですが、恐らく、山上さんは、永見先生なら、この美味しさを解ってくださる。是非、召上っていただきたいと思われたのではないでしょうか。
茗荷とじゃこの御飯 土鍋は中川一辺陶作
茗荷の歯応えと香りも失われず火の入れ具合が抜群だと永見先生
二杯目には永見先生大好物のお焦げも
蓮根餅 れんこんもち
永見先生がいただいた山上さんの御名刺
永見先生に「霞町やまがみ」について伺いました。
自分が美味しいと思う料理店に共通なのは、同じ発言の繰返しになってしまいますが、仕込と下拵の凄さだと思います。それは「霞町やまがみ」についても然り。実に丁寧な仕事振りで、料理人の誠意を犇々 ひしひし と感じます。
魚は卸立てが新鮮で旨いと考える方が思いの外多いと思うのですが、魚にもよりますけれど、寝かせた方が美味しくいただけるものもあるのです。貝類にしても、大きくて身がプリプリしてさえいれば美味しいというものでもありません。その意味で、やまがみさんは、個々の食材にきちんと向き合い、よく研究していらっしゃると思います。その上で、食材を吟味し、厳選して提供してくださっていると言えるでしょう。ですから、何をいただいても美味しいのだと思います。
やまがみさんの料理に対する姿勢は、舞台にも共通するところがあって、自分にも勉強になります。謙虚な姿勢と物腰の柔らかさ、そして持成しの心。それが外面的な形だけではなく、料理に投影されているところが、実に素晴らしいと感じます。
ご贔屓様のお招き、舞台の打合せなど、美味しいものを召上る機会の多い永見先生…
高級な料理しか口にされないのかと思いきや、意外や意外、何でも召上ります。
永見先生曰 いわ く「人間も食物連鎖の中に居て、動物や植物の命をいただいて生きているのですから、アレルギーや病気なら仕方ありませんが、何でも感謝して有難く口に運ぶべきだと思います。腕利きの職人による高級食材を用いた料理も、家庭料理も、B級グルメも、楽屋弁当も、それぞれに異なる美味しさがあって、自分は、いずれも楽しんで食べています。至高の料理を探求することも大きな楽しみですが、だからと言って、食の多様性を否定するのは、豊かな生活を自ら否定するようなものではないでしょうか。」
本質的な所で多様性の意義を理解していらっしゃる。
サスガは世界各地で研鑽を積んで来られただけのことはありますね!
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2020-07-17 09:50
永見隆幸 助六 訪問 江戸趣味小玩具 五代目 木村吉隆 浅草 [永見隆幸 江戸文化]
音楽家、著作家、舞台ディレクターの永見隆幸先生が、東京都台東区浅草にある江戸趣味小玩具「助六」を訪問されました。
助六の五代目店主である木村吉隆さん(左)永見隆幸先生(右)
助六は、江戸末期の慶応二年 =1866年から続く、日本で唯 ただ 一軒の江戸趣味小玩具の店です。
八代将軍吉宗の頃、贅沢禁止令が出され、裕福な町人が楽しんでいた豪華に飾る大型の玩具がご法度になり、その結果、できるだけ小さく精巧な細工を施したり、風刺や洒落を利かせたりした江戸趣味の小玩具が作られるようになったそうです。助六は、普通の玩具ではなく、そういった小玩具や豆おもちゃを専門に扱う店です。
助六という店名の由来には二つの説があるそうです。一つは、花川戸に御宅があり、歌舞伎の花川戸助六に因 ちな んで「助六」とつけたという説。もう一つは、小玩具が「五臓六腑を助ける」と言われることから「助六」と名付けたという説が伝えられています。
浅草寺「雷門」の永見先生
助六の小玩具に見入る永見先生
江戸趣味小玩具「助六」五代目店主の木村吉隆さん
木村吉隆 きむら よしたか
KIMURA Yoshitaka
昭和十二年 =1937年、浅草生れ。 慶應義塾大学経済学部卒。18年間商社に勤め、昭和五十二年 =1977年、42歳にして助六を継ぎ、現在に至る。江戸趣味小玩具「助六」五代目店主。手間暇かけた精緻な職人の仕事と、江戸以来の小玩具文化を今に伝える。著書に、「江戸の縁起物 - 浅草仲見世助六物語」亜紀書房、「江戸暦 江戸暮らし - 浅草仲見世助六 江戸趣味小玩具」亜紀書房、藤井恵子編著「浅草 老舗旦那のランチ」小学館、など。
「江戸の縁起物 - 浅草仲見世助六物語」亜紀書房、「江戸暦 江戸暮らし - 浅草仲見世助六 江戸趣味小玩具」亜紀書房、藤井恵子編著「浅草 老舗旦那のランチ」小学館。
助六の小玩具をご覧になって思わず顔が綻 ほころ ぶ永見先生
助六の江戸趣味小玩具を、ごく一部ですが、ご紹介します。
如何に小さいかを実感していただくために永見先生の御手を拝借しました。
詳細は、木村吉隆さんの著書に、写真付で、とても丁寧に紹介されていますので、是非そちらをご覧ください。
御来迎 ごらいごう
遂に阿弥陀如来が御姿を現します。
赤梟 あかふくろう
赤は魔除けの色。梟は、「不苦労」で苦労知らず、「福籠」で福がこもる、「福老」で老いて福の不老長寿。
鯛車 布製
鯛の赤は魔除けの色。何と言っても「目出鯛」。
福鼠 ふくねずみ
写真右下の取っ手を回すと厄を食べてくれます。
鮨 - 寿司
鼠と猫
安永元年 =1773年に発行された『江戸二色 えどにしき』という絵本に掲載されている江戸名物の玩具。蓋を開けると鼠が登場しますが、閉じると隠れてしまい、どうしても猫が鼠を捕まえることの出来ない仕組の、絡繰 からくり 玩具です。まるで日本版トムとジェリー。
鼠の風車
風車に息を吹きかけると、くるくる回って、猫と鼠が追いかけっこを始めます。
月兎と月見
阿吽 あうん の蛙
斑が入った葵の葉の実物と 阿吽 あうん の蛙
蓮池の錦鯉
蓮池の錦鯉と 阿吽 あうん の蛙
賽子 さいころ
江戸独楽 こま
江戸独楽 こま と 賽子 さいころ と 阿吽 あうん の蛙
とんだりはねたり およそ
これより大きな「とんだりはねたり」は、跳ねさせて遊びますが、この寸法の「とんだりはねたり」は、同じ仕組みを備えてはいるものの、壊れ易いので、鑑賞専用がお勧めです。
剣玉 けんだま と輪投げ
剣玉 けんだま
輪投 わなげ
煎茶用具一式
茶道具 生成り
茶道具 塗り
長屋の台所
長屋の台所の左手前にある桶と 阿吽 あうん の蛙
豆干支 まめ えと
豆干支 まめ えと と 剣玉 けんだま と 輪投 わなげ
招き猫と達磨 だるま
豆干支 まめ えと の中に 招き猫と達磨 だるま
七福神
恵比寿は豊漁を齎す神様
大黒天は食料と財宝の神様
毘沙門天は武運長久の神様
弁財天は智恵と芸能の神様
布袋は福徳円満の神様
福禄寿は長命を授ける神様
樹老人は長寿を授ける神様
大願成就
商売繁盛
家内安全
助六の小玩具勢揃い
永見先生に助六と五代目店主の木村吉隆さんについて伺いました。
玩具作りは、職人仕事なんだから、同じ物を同じように作ることができなきゃならないと、木村吉隆さんは、おっしゃいます。助六の玩具は、作者が同じなら、寸法や姿形が殆ど同一なので間違えることはありません。ただ、手仕事が中心なので、素材を切ったり、削ったり、彫ったり、磨いたりする過程で、微妙な表情の違いが生れ、それが絶妙のニュアンスを齎 もたら すのです。木村さんと職人さんの共同作業は、単に何かを精巧に写しているのではないと考えます。何故なら、出来上った作品を拝見すると、アーティストの感性とアルティザンの技術が融合した見事な成果と表現する外ないからです。
助六の玩具は、自分にとって、決して懐古趣味などではなく、江戸時代の生活にまでイマジネーションを膨らませてくれる、感性の刺激剤でもあります。
自分が助六の玩具に惹かれるもう一つの理由は、天然の素材を用いた手仕事という点かも知れません。珪素樹脂などの現代的な人工素材が全く使われていない訳ではありませんが、それは必要最小限に抑えられ、木、紙、土、布、などの天然由来の素材を中心に玩具が作られています。
江戸時代は、現代と比較して、実際に、リサイクルが徹底されており、無駄が極めて少なかったと言われています。助六の玩具に触れていると、その小さな宇宙の中に、豊かな自然の循環すら感じさせてくれるのです。
木村吉隆さんは自らを小商人 こあきんど と定義します。しかし、我々は、それを単に謙虚な意思表示と誤解してはなりません。粋 いき も行き過ぎると野暮になります。小粋 こいき が一等粋なのだと言う方もいます。小 こ というのは、サイズが小さいことを意味しているとは限らないのです。行過ぎのないドンぴしゃりの状態を指す時に、江戸っ子は、小を使うと言えるのかも知れません。その意味でも、木村さんを、商人の中の商人と呼んでも間違いではないでしょう。面白いコンセプトをお持ちで、江戸独楽のように芯がシッカリしていてブレず、迷いの無い方なのです。
自分は、おもちゃという物に興味がある訳ではありませんが、助六の玩具だけは、自分の感性に強く鋭く訴えるものがあります。助六と五代目店主の木村吉隆さんは、自分にとって正に特別な存在なのです。
談笑する永見先生(右)と 助六 五代目店主の木村吉隆さん(左)
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